
先日PK-33の丸スツールを無事納品しました。E-KOLD製(フリッツハンセンより以前にポールケアホルムの家具を製造、販売していたメーカー)でとリクエスト貰いました。デンマークのDMKのwebを見たらあったので価格を問い合わせてみるとEUR6,000!これでは話になりません。たまたま国内で売りたい方がいたので聞いてみると快くOKを貰いました。なんと次のオーナーへの販売価格は35万円を実現!これは奇跡でした。
久しぶりに見るE-KOLDのケアホルムをまじまじと見てみるとやはりいいですね〜。安っぽい感じがしない。それでいて無駄がない。北欧家具を田舎者の家具と呼ぶニューヨークのオシャレ人もケアホルムに関しては評価しています。やはりスチールを使っているあたりが都会的なのでしょうか。そんな事を思いながら以前自分が購入したケアホルムに付いて思い出にふけってみました。
僕が最初に購入したケアホルムはPK-22。基本です。ローレイダー(目黒で僕が運営したお店)で販売する為にデンマークのLauritzのオークションで購入しました。まだ、フリッツハンセンとE-KOLDの明確な違いも分からないままとりあえず購入してみました。購入価格はオリジナルの状態で10万以内だったと思います。アートバブルが来る前で、ケアホルムの展示会がルイジアナ美術館で開催される前だったので安くて当然でした。そのPK-22ですが無事に輸入された日の夜中に事件が起きました。実家に住んでいた当時、実家にはかわいい猫ちゃんが2匹いました。そのうちの1匹が凄く気に入ったらしく私が眠りについた後にその椅子をガリガリとやっちゃいました。朝起きて目にしたPK-22はボロボロ。言葉もでませんでした。。。。。気を取り直して張り替える事に。張り替えると言ってもケアホルムは素材が命です。それに見合う革を探さなければと思い知人に連絡をすると浅草の問屋を紹介してくれました。そこでとても良い革に巡り会いはじめてのケアホルムは蘇りました。
2脚目のケアホルムはPK-20でした。e-bayで購入しました。もちろん価格も今考えると安かったです。EGG chairと共にローレイダーの目玉になりました。購入者が現れず結局しばらくは僕の手元に有りました。ローレーダーが物件の期日と共に引っ越しをせず閉店をしたので、その椅子は実家から晴れて独立した僕らの川沿いのマンションのリビングで使う事にしました。90平米もあるのに家賃8万円と信じられない価格のそのマンションで僕はどうしてもPK-31の2人掛けを使いたいと思いました。たまたまLauritzを見ていると念願の赤茶のソファーが沢山出ているではないですか。沢山出ているときはまれにオークションは安く終わります。ここは勝負だと思い入札をしました。案の定とても安く購入できました。はじめて手にしてPK-31はおもったよりコンパクトでした。そしてしっとりとした革の質感がたまらなく良かった事を思い出します。
ローレーダーを閉店する間際にとんでもないセットの売り情報が入りました。PK-31 3人掛けと2人掛け、PK-63の特注のテーブル、PK-33のスツールが2つ。思い出しても凄いセットです。しかも日本国内ではじめて輸入されたケアホルム。松屋銀座の北欧店で販売された由緒あるセットでした。もちろん手持ちの資金がなく、買い手が付かない事を祈っていました。アートバブルの到来とルイジアナ美術館で行われたケアホルム展の御陰でケアホルムの家具の値段が急上昇したまさにその時でした。オーナーはサザビーにPK-63の特注テーブルを出品しました。なんと200万オーバー!。その為残りを破格の値段で売りにだすと知らせがきました。それでも資金難な僕らは福岡organのTさんにこの情報をお知らせしました。そして、現在もTさんのリビングで活躍するソファーのセットは福岡へと旅立ちました。僕らはPK-33の丸スツールを購入しました。そのスツールも北欧スタイルの取材で絶対に手放さないと書いたのですが、本が発売される頃には既にアメリカからの来客に売却していました。
川沿いのマンションの更新の時期が近づいて来た頃、僕らは箱根への移住計画を立てました。小学生の時よりの憧れの地である箱根へ。これはきっと人生最大のチャンスだと思いました。たった一度見ただけで中古で家を購入した僕に妻はあきれ顔でしたが、ひとまずは夢が叶いました。その箱根の家のリビングダイニングは40帖もありました。ここで本当はPK-80を使いたかったのですが、予算的に断念しました。結局ソファはサファリというとんでもないキワモノにしました。テーブルはすこしひねってPK-40というレアなテーブルを購入しました。これにスタルクのスーパーレジェーラをオマージュした椅子を合わせました。このテーブルはダイニング用ではないので天板には革が張られていました。汁物をこぼさない様に気を使った思い出があります。8人座れるので鍋の時には大活躍と思いきや実は140x140センチの天板は真ん中に鍋を置くとだれも届きません。まさかケアホルムも日本でこのテーブルで鍋を食べる人がいるとは思っても見なかったと思います。そのテーブルもどうしてもというオファーを受けて売却しました。
それと箱根の家では庭にヨルゲンホイとの共作の椅子を使用しました。九州の隆太窯でみたその椅子が忘れられず僕も真似をして庭に置きました。箱根の湿気であっというまにカビだらけになってしまいました。
実は日本には結構PK-の家具はあるようです。山手線に乗車していると見えるポーラのショールームには沢山のPKのソファとデイベットがあります。そして滋賀の美術館にはPK-20が20脚以上は有ると思います。それと埼玉か千葉の葬儀場にPK-20が沢山あります。それと驚きなのがPK-40の特注マーブル大理石のテーブルがジルサンダー青山店にあります。このテーブルには来日したwright20のスタッフも驚いていました。当時からお金があってオシャレな外資系の企業には結構納められたらしいです。当時輸入をしていた商社に一度話を聞いた事があります。そんなのがリサイクル屋にでてこないかな〜なんてずっと思っています。
現在は手元になにPKがありません。将来は未定ですが、僕らはまた箱根に戻る事を前提でいます。その時には一つはPKの家具を使いたいと思っています。